企業等が取引先に対して保有している代金の回収権、すなわち売掛金は資産価値を持つため、資金調達の手段として活用することができます。売掛金を担保にして金融機関から資金を借り入れるという手法は昔からおなじみですが、近年では売掛金現金化と呼ばれる手段も普及が進んでいます。売掛金現金化は、ファクタリングと呼ばれることもある金融サービスです。その名の通り、売掛金を売却して現金化するというのが基本的な仕組みとなっています。
ファクタリング会社という専門事業者が取り扱っており、中にはオンラインのみで手続きが完結するところもあります。借入れができない企業等にも利用のチャンスがあるとあって、人気を集めています。売掛金現金化では商品やサービスなどの代金を回収する権利を第三者に売り渡すことで資金を調達するため、買い戻し特約が付されているなどの例外的な場合を除いては後日返済の必要がありません。したがって、帳簿上にも負債が発生することがないので、比較的気軽に利用できます。
また、後日返済の必要がないことから、申込時に返済能力を細かく審査されることがないという特徴もあります。これが融資の場合であれば、決算報告書などのさまざまな書類を金融機関に提出して審査を受けなければなりませんし、直近の事業状況や資産の保有状況などによっては審査に通らないこともあります。売掛金現金化ではこのようなプロセスが必要ないため、利用可能な企業等の範囲がより広くなっています。